読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

オムニバス・レコード

不特定多数の執筆者による、無記名ディスクレビューブログです。執筆者の数はネズミ算式に増えていくため、ブログ開設者も執筆者の全容を把握していません。

sal blakey / COMBO PIANO

sal blakey

 

99年作。鍵盤奏者・渡邊琢磨のソロプロジェクトの1stアルバム。後に結成される内橋和久・千住宗臣とのトリオが有名かと思うが、本作でもリトル・クリーチャーズの3名をはじめとしたお歴々がバックを務めており、演奏はとてもスリリングだ。トランペットで参加している「Shuichiro Sakaguchi」というのはダブル・フェイマスの坂口修一郎?

 

渡邊氏のライブを観たことがある方ならご承知だろうが、この1stでも演奏のピーキーさは遺憾なく発揮されている。全体の基調色は暗く、室内楽的にゆったり聴けそうな出だしだが、2曲目で脈絡なく挿し込まれる絶叫でちゃぶ台がひっくり返されると、それから後はいつ起こるとも知れぬ爆発に身構えざるを得なくなる。その緊張感が良い。

再生時間は26分と短く、ジャズとラテンの要素をうまく抜き差しする構成に酔っているとすぐに終わりを迎えてしまうが、それだけに何度も聴ける。アルバムの起伏を掴んでから無意識に聴く時にも、能動的に聴くのとは別の気持ちよさがある一枚。

音楽そのものと盤の経済的価値をイコールで結び付けるのは愚かだが、このアルバムがディスクユニオンで数百円で手に入るところに、音源を探すことの妙味を感じてしまう。